食の原点にかえろう(飲食店経営vol.3)

店舗経営

料理を作る人になろうと思ったのは中学生の頃です。動機は不純なもので話すことはないと思います。それから数十年経ち、食に対する意識の違和感を感じて今の店を始めました。偶然にも環境が整っていたこともあるのですが。ファストフード、お惣菜、スナック菓子、カップ麺。どれも嫌いではないのですが、共通点として化学調味料をはじめとした食品添加物がふんだんに使われているということ。見た目を美しく、傷みにくくするためなのでしょうか。カット野菜を口にすると、見た目とは違って傷んでいる味がしたり、匂いがしたり、そういう感じが無くてもどことなく塩素系の臭いがするもの。こんなものは子供が食べられるわけがありません。

素材そのものは気にしがちですが、調味料はどうなのでしょうか。原材料表示をみたことがあるでしょうか。使用料の多い順に記載しなければいけない決まりになっています。例えば粉末状、顆粒状のものなど一番多くふくまれるものが化学調味料になっていないでしょうか。本来和食であれば鰹、鯖、鰯、鮪、トビウオ、昆布、椎茸などをつかって出汁をとりますが、違うことが多々あります。醤油や味噌は大豆、小麦、塩からつくられるのが普通。こういったものをつかい様々な料理が作られているはず。

食品メーカーは安価に製造し、原材料に対して高く売る仕組みを作っているはずです。企業としては素晴らしいことだと思います。ただ本当にそれでいいのでしょうか。もしかしたら食べ物によるアレルギーなどを引き起こす原因になっていないのでしょうか。僕の経験上では原因になっています。

外食産業での低価格商品は、やはりそういった安価な原材料を使っている可能性が大きいと思います。主婦の方なら容易にわかる話だと思います。

どんな仕事でも利益というものがなければ、僕たちの生活は成り立ちません。材料費、光熱(電気、ガス、水道、※北海道では灯油代)費、人件費、その他経費、家賃(テナント料)を引いて残るお金(利益)がどのくらいになるのか。家庭に置き換えると、給料から食費、光熱費、住宅ローン、子供がいれば養育費などを差し引いた残りが貯蓄になったり、お小遣いになったりするはずです。ざっくりですがこんな感じじゃないでしょうか。企業の売上が下がると当然利益も減り、給料や賞与へつながる可能性があります。

他の飲食店のことは残念ながら分かりません。食べてみれば何となくわかりますが。恐らく気づいている人もいるのかもしれません。見た目や味にとらわれる傾向にあるのかもしれません。決して美味しさは関係ないという話でもありません。美味しさは大切だと思います。人工的な美味しさを良しとするのか、自然な美味しさを良しとするのか。僕は後者だと考えています。一番わかりやすいのは、料理のジャンルにもよりますが、幼少期の子供がきちんと食べるかどうかということだと思います。つまり安全なものかどうかと言うこと。少なくとも大人の味覚は、様々な体験により子供とは違うものを持っていると思うからです。

昔の話は嫌われるのですが、味噌汁は出汁を取り作るもの。味噌や醤油は長期保存ができるものだと思っています。昔はが当たり前のように行われていたことが、今では素晴らしいことのように言われてしまいます。農産物も近隣で採れたものをつかったり、作物が取れない時期には保存食を食べたりと昔は様々な工夫がなされていたと思います。発酵食品や越冬などもそういった知恵であり、工夫であるのかもしれません。

今では何時でも何でもある時代になってしまっていることから、お店にはすべての商品がなければお客様に満足してもらえないと勘違いしていること。そんな風潮から食品ロスが生まれ、季節外れの野菜が店頭に並ぶようになり、旬の野菜すらわからない人が増えているように思います。

お店を始めた頃から、食品ロスは限りなく減らす。食材も調味料も小さな子供が安心して食べられるものを使う。過剰な仕入れを行わない。自分たちが食べれないものは提供しない。提供するなら自分たちが食べられるものを提供する。恐らく自分の子供に成長に害のある可能性のある食事を作ることはないと思います。僕たちもお客様一人ひとりが家族の一員であるように考え作っています。そして調味料含め素材のもつ本来の味を伝えていく必要があるように思います。